学びに出かけたくなる話題


折り紙

 折り紙によって、さまざまな数学的な操作ができます。平面図形の正三角形、正五角形など、また立体図形の正多面体を作ることができます。角の三等分線を作ることもできます。

  折り紙は工学分野においても応用されています。「ミウラ折り」という折り方は人工衛星の太陽電池パネルに使われています。折りたたみ式ヘルメットも実用化されています。建造物やロボットへの応用も研究されています。


地下生物圏

  地下の岩石圏には多種類の微生物が生息していることがわかってきました。地下生物圏の生物量(バイオマス)は陸上や海洋の生物量を上回るレベルだと推測されています。先日も海底の玄武岩の割れ目の部分から大量の微生物(有機物をエネルギー源とする種類)が発見されたというニュースがありました(2020年4月)。生命の起源の解明、あるいは地球外生命の研究にもつながる事実です。


危機言語

 現在、世界では7000以上の言語が使われています。しかし、今、多くの言語が話し手の減少にともない消滅しつつあります。言語の消滅は人類の文化遺産の消滅でもあります。また、その言語を用いる社会の存続にもかかわる問題です。消滅しつつある言語(危機言語)を守るための取り組みもなされています。

 ユネスコによると、日本では、アイヌ語、八重山語、与那国語、八丈語、奄美語、国頭(くにがみ)語、沖縄語、宮古語が消滅の危機にあります。


ウイルスについて

 今、問題になっている感染症(COVID-19)は「SARS-Cov-2」と名づけられたウイルスが原因です。このウイルスは人間の細胞(特に喉や肺の細胞)を増殖(自己複製)の場所として利用しています。ウイルスが人間に対して、「敵意」とか「殺意」をもっているわけではありません。もしウイルスが人間を殺してしまうと、ウイルスにとってはそれだけ増殖の場を失うことになります。少なくとも短期的にはありえない仮定ですが、もし人類が絶滅したら、ウイルスも新たな増殖の場を確保する必要に迫られます。

 一般的にウイルスは核酸という物質(RNAまたはDNA)がタンパク質の殻に入っている構造をしています。さらに、その外側が膜に包まれている種類もあります。核酸は「遺伝情報を含みつつ、時には変異しながら自らを複製してゆく」という不思議な性質を持っています。生命の起源の解明にもかかわる大きな意味をもった自然現象です。(2020.04.23)


ウイルスと進化

 驚くようなことですが、さまざまな生物のゲノムにはウイルスに由来するものが含まれています。人類のゲノムにもレトロウイルス、ボルナウイルスの遺伝子が含まれていることが確認されています。

 かなり古い時代(4千万年以上前)から、生物は自分に感染したウイルスのゲノムを自分のゲノムに取り込んできたと考えられています。この現象から推測されるのは、生物はウイルスと共存関係をつくり、それを利用して進化してきたということです。実際、哺乳類が胎盤をつくるために必要な遺伝子はウイルス由来のものであることがわかっています。                   (2020.05.04)